2. 堀川再生 -Cleaning Horikawa-
◇ 名古屋の顔は堀川 ◇ (100号より)
2005年に瀬戸で万博が開かれようとしています。その後中部新空港も計画されています。どちらも名古屋からのアクセスが中心となります。
なのに顔(堀川)が汚れていることと市民の関心(利用率)が薄いことが原因になっています。だからこれを逆手に取って、広い道路を活用し水と緑のネットワークを進めてはどうでしょうか。
平成12年3月ようやく堀川沿いの市民グループが手を結び堀川の協議会「クリーン堀川」が発足しました。堀川の研究、再生への提案、啓発活動も進められています。
何かアイデアを持った方は、事務局の都市センターまでご一報下さい。
◇ 不法係留対策を名古屋港側の堀川活性化の起爆剤に ◇ (100号より)
堀川は地形状と成り立ちの経緯により、名古屋城近くまで名古屋港の港湾区域になっています。このことが、川でありながら海も含めた複雑な行政のタテ割りによって、市民の声が反映されにくいものとなってきています。
堀川の下流部には、ヨットハーバーにできる土地が存在しています。市民と行政が手を結び、ルールを話し合いながら進めればすぐにでも手をつけられます。川は利用しなければ理解と再生はしないものです。タテ割り行政からネットワーク行政にして予算を有効に使いたいものです。
◇ 都市河川は雨水の排水路 ◇ (99号より)
堀川が雨水の排水路となっていることをほとんどの市民は知りません。なぜなら雨の降っている日に堀川を見る人はほとんどいないからです。
全国の大都市でも同じ問題をかかえています。晴天の時は下水処理場で処理した水が川に流されますが、ひとたび少量の雨でも降れば、雨水は下水管に流され、下水処理場からオーバーフローし、川に流れ込みヘドロの元になります。雨の日は家庭の排水・流し方に気をつけましょう。
シャンプー・リンスは天然石鹸に変え、食後の食器は再生100%のトイレットペーパーでぬぐい、燃えるゴミにして下さい。気づいた人から、できるところから環境を考えましょう。
◇ 木曽川・庄内川からの導水 ◇ (99号より)
堀川導水の調査が始まってから約28年が過ぎました。今だに具体的な工事は始まっていません。名古屋の市民は堀川に清流をひくための工事だと勘違いしている人がほとんどです。
実は尾張北部の新しい住宅地からの雨水配管が増え、雨水経路でもある新川・庄内川にバイパス(木曽川導水管)を通し、堀川までつないで流量を調整しながら、1ヶ所に集中させないようにするのがこの事業の目的なのです。
だから名古屋のみなさん!ゴミをなくし、ヘドロを取ってから導水の話をしましょう。自分達の都合だけでは上流・下流の方々の理解を得られません。
◇ 川の利用 ◇ (98号より)
世紀末でしょうか。近年旧東海道を旅する人が増えてきています。七里の渡しにも多くの人が訪れ、桑名までの渡し船の有無をよく聞かれます。
現在七里の渡しからは渡し船も水上バスもなく、屋形船などの観光船があるのみです。先日東京・横浜の河川の見学会に参加しましたが、港湾・河川の利用状況は、名古屋と比較にならないくらい程高い意識がありました。もちろん若者たちに人気の高いクルーズ、川祭りもありました。
◇ 川沿いを楽しむ ◇ (98号より)
最近ウォークブームでしょうか。熱田神宮の廻りを歩く中高年夫婦の姿がとても増えました。歩く人、散歩する人にとって大切なことは季節・風・香りを感じること、そして信号で止まらずに歩く道があることです。堀川沿いは名古屋城と名古屋港を結べば10Kmのジョギング・サイクリングコースとなり、若者も集まることとなります。ただし、橋の下の不法占拠対策は万全にしましょう。
◇ 川の清掃は汚した市民の手で ◇ (97号より)
堀川のゴミで特に目立ったのは、ビニール袋・タバコ・生理用品です。これは市民のマナーの問題です。堀川の場合3mmの雨で下水処理場はオーバーフローします。(5mmの雨は平均で4日の割合で降っている。)雨とともに下水管に入った道路のポイ捨てタバコや生活排水が堀川に流れ込みます。実は皆で堀川を汚しているのです。だから皆で掃除をするべきなのです。しかし困ったことに、上流の黒川を除けば堀川には水に近づける場所がほとんどありません。現在のところ、清掃は船から一部の人達が行っているに過ぎません。
◇ 水辺の自然浄化システムと親水空間 ◇ (97号より)
大人、子どもに限らず魚釣りや川遊びと四季を楽しみたいという願いは共通のものです。水辺の植物は窒素・リンを吸収し、水を浄化します。植物の廻りに水草・藻がつき、プランクトン・昆虫が発生し小魚が集まり、小魚を求めて水鳥がやってきて巣を作ります。そして川は緑化され、魚釣り・川遊びが始まります。川を利用する人が増えれば清掃する活動はもっと広がります。
◇ ヘドロを土に戻そう ◇ (96号より)
堀川は延長16Km余りで護岸整備の完成までに約2000億円の費用がかかると言われています。堀川のヘドロは産業ゴミとして処分する場所もなく運搬にも莫大な費用がかかります。
ヘドロをその場で土に戻してはどうでしょうか?そして水辺に葦が広がり、堀川が再生して行く様子が市民の目に映ることでしょう。
◇ 市民の目を堀川に向ける ◇ (95号より)
「市民に背を向けられた堀川」から「何とかしようという堀川」への取り組み。
(1)四季の花を楽しめる堀川
(2)お祭りやイベントのある堀川
(3)水上バス・散歩道
などの整備などすぐにできることから始めれば少しずつ堀川再生への市民の意識も高まるはずです。
6. クリーン堀川 -Clean Horikawa-
名古屋市中心部を縦断する「堀川」の浄化・美化を推進する沿岸各地域の市民団体Sの相互連携を強化し、一体的な活動を展開していくネットワーク型の連合組織を平成12年3月4日に発足します。
これまでの活動実績は、庄内川からの導水を訴えた20万人署名運動。6月・堀川まつり。9月・堀川一斉大掃除及びシンポジウム「堀川と市民とまちづくり」の開催。11月・堀川都心沿岸地域への一万本のチューリップ植栽等で、これら数々の連携活動により市民の堀川への啓発を喚起しました。
◇全名古屋ライオンズクラブ◇
名古屋地区にあるライオンズクラブ29団体で構成されていて、この全名古屋ライオンズクラブが平成11年4月に始めた「堀川を清流に!」の署名運動が、当初目標の2倍にあたる20万人署名を実施し、これ以降、試験通水が真剣に検討されるようになりました。現在も堀川に関係する団体と積極的に連携を組む一方で、「堀川浄化等基金」を設ける計画など、幅広い活動を行っています。
堀川の清掃活動 街頭での署名活動
◇黒川ドリーム会◇
北区で発足した3つの団体の内の「川を考える会」を母体として、平成10年3月に黒川ドリーム会が誕生しました。「よい子はここ“黒川”へ遊びにおいでよ」をスローガンに、クリーンリバー大作戦や、50年ぶりに黒川にホタルをよみがえらせたり、平成11年の桜まつりでは川下りや友禅流しを企画するなど、精力的に活動しています。
ボートでの堀川(黒川)川下り 堀川(黒川)清掃活動
◇堀川とまちづくりを考える会◇
「堀川について広く市民参加できる会」の趣旨に基づいて、平成10年6月に発足。名古屋市内の各区並びに、三河を初めとする県内の方など、会員はバラエティに富んでいます。区民まつりや地元円頓寺商店街の七夕まつりなどにも参加して、堀川をPRするために熱心な活動を続けています。
区民祭りでの堀川PR活動 円頓寺七夕まつりでの堀川PR活動
◇あつたっ子◇
熱田の魅力、歴史を伝えるなどを目的として昭和60年9月にミニコミ紙「あつたっ子」を発刊。翌年には「熱田・堀川シンポジウム」を開催、平成2年に「堀川まつり(熱田天王祭)」を復活させて、毎年の行事とするなど、堀川と深く関わった企画・イベントを行っています。