「犬も歩けば寺に当たる」と言われるほど熱田には寺が多い。俗に「熱田百ヶ寺」と言われる由縁である。中には蓬莱伝説にちなんだ山号を持つ寺まであり、熱田の下には大きな亀がいるとの伝説が語り継がれている。江戸時代は三重県から見て、名古屋城や城下町は蓬莱の左にあったので、蓬左とも呼ばれていた。
2020年の「宗教年鑑」では、愛知県が4,936で日本一。2位が大阪で4,054、寺の町京都でも6位の3,254。土地が肥沃だった愛知県の濃尾平野は経済力が大きく、豊作祈願の神社も多い。尾張藩の仏教振興策もあり、寺院が増えたとも言われる。中でも熱田は寺院が密集していた。
# | 場所 | 寺院名 |
---|---|---|
01 | C-3 | 威徳院 イトクイン |
02 | D-4 | 姥堂 ウバドウ |
03 | C-2 | 雲心寺 ウンシンジ |
04 | D-4 | 栄立寺 エイリュウジ |
05 | D-4 | 円通寺 エンツウジ |
06 | C-4 | 円福寺 エンプクジ |
07 | --- | 憶念寺 オクネンジ |
08 | D-4 | 海国寺 カイコクジ |
09 | A-2 | 歓喜寺 カンキジ |
10 | C-1 | 観聴寺 カンチョウジ |
11 | A-1 | 願入寺 ガンニュウジ |
12 | D-4 | 喜見寺 キケンジ |
13 | --- | 教務院 キョウムイン |
14 | C-3 | 玉泉院 ギョクセンイン |
15 | --- | 金盛寺 キンセイジ |
16 | A-1 | 月笑寺 ゲッショウジ |
17 | C-4 | 広心院 コウシンイン |
18 | C-4 | 興徳寺 コウトクジ |
19 | B-5 | 光耀寺 コウヨウジ |
20 | C-4 | 西福寺 サイフクジ |
21 | B-3 | 西方寺 サイホウジ |
22 | B-4 | 慈教寺 ジキョウジ |
# | 場所 | 寺院名 |
---|---|---|
23 | C-4 | 地蔵院 ジゾウイン |
24 | D-4 | 実相院 ジッソウイン |
25 | B-4 | 秀泉寺 シュウセンジ |
26 | C-2 | 寿琳寺 ジュリンジ |
27 | C-2 | 淳徳寺 ジュントクジ |
28 | C-3 | 春養寺 シュンヨウジ |
29 | C-4 | 松屋院 ショウオクイン |
30 | D-4 | 正覚寺 ショウカクジ |
31 | D-5 | 浄覚寺 ジョウカクジ |
32 | C-1 | 松賢寺 ショウケンジ |
33 | C-2 | 浄行寺 ジョウコウジ |
34 | C-4 | 聖徳寺 ショウトクジ |
35 | C-4 | 成福寺 ジョウフクジ |
36 | --- | 白滝教会 シロタキキョウカイ |
37 | B-1 | 真求寺 シンキュウジ |
38 | C-5 | 信暁寺 シンギョウジ |
39 | C-1 | 真勝院 シンショウイン |
40 | D-4 | 真乗院 シンジョウイン |
41 | C-4 | 清雲寺 セイウンジ |
42 | C-3 | 誓願寺 セイガンジ |
43 | C-2 | 青大悲寺 セイダイヒジ |
44 | --- | 政林寺 セイリンジ |
45 | C-3 | 洗月院 センゲツイン |
# | 場所 | 寺院名 |
---|---|---|
46 | A-4 | 専光寺 センコウジ |
47 | A-3 | 専照寺 センショウジ |
48 | C-4 | 善福寺 ゼンプクジ |
49 | C-3 | 全隆寺 ゼンリュウジ |
50 | C-3 | 総持院 ソウジイン |
51 | C-3 | 想念寺 ソウネンジ |
52 | B-4 | 宗福寺 ソウフクジ |
53 | C-4 | 蔵福寺 ゾウフクジ |
54 | C-2 | 大黒寺 ダイコクジ |
55 | C-2 | 大周寺 ダイシュウジ |
56 | C-2 | 大乗教総本山 ダイジョウキョウソウホンザン |
57 | B-2 | 大乗寺 ダイジョウジ |
58 | --- | 泰明寺 タイメイジ |
59 | C-4 | 滝之寺 タキノジ |
60 | C-5 | 潮音寺 チョウオンジ |
61 | D-4 | 長盛院 チョウセイイン |
62 | --- | 智隆講 チリュウコウ |
63 | C-4 | 等覚院 トウカクイン |
64 | C-4 | 藤江寺 トウコウジ |
65 | C-2 | 道誠寺 ドウジョウジ |
66 | --- | 名古屋島田教会 ナゴヤシマダキョウカイ |
# | 場所 | 寺院名 |
---|---|---|
67 | B-2 | 名古屋念法寺 ナゴヤネンポウジ |
68 | C-4 | 日行寺 ニチギョウジ |
69 | C-3 | 梅蕚院 バイガクイン |
70 | A-4 | 白毫寺 ビャクゴウジ |
71 | C-4 | 福寿院 フクジュイン |
72 | C-3 | 福重寺 フクジュウジ |
73 | C-2 | 不動院 フドウイン |
74 | C-4 | 宝持院 ホウジイン |
75 | C-3 | 法持寺 ホウジジ |
76 | C-5 | 宝勝院 ホウショウイン |
77 | C-4 | 法正寺 ホウショウジ |
78 | --- | 宝田寺 ホウデンジ |
79 | C-3 | 法妙寺 ホウミョウジ |
80 | --- | 法林寺 ホウリンジ |
81 | C-3 | 本研寺 ホンケンジ |
82 | C-4 | 本遠寺 ホンノンジ |
83 | B-1 | 妙安寺 ミョウアンジ |
84 | C-4 | 妙覚寺 ミョウカクジ |
85 | --- | 明心教会 ミョウシンキョウカイ |
86 | C-3 | 弥勒院 ミロクイン |
87 | A-2 | 聞信寺 モンシンジ |
88 | B-5 | 祐誓寺 ユウセイジ |
89 | C-3 | 龍珠寺 リョウシュウジ |
02
D-4
姥堂 ウバドウ
姥堂(オンバコさん)は精進川の裁断橋のたもとにあった。溺死者から衣服を剥いで生活する老婆が、僧の衣服で罰が当たり急に死んだ後に、魂がさまよい飛ぶので、三途の川の奪衣婆を安置し、供養した。
03
C-2
雲心寺 ウンシンジ
本尊阿弥陀如来座像は1863年(文久3)に完成し、名古屋三大仏で有名。寄木造で金箔をほどこした見事なもの。
05
D-4
円通寺 エンツウジ
姥堂(オンバコさん)は精進川の裁断橋のたもとにあった。溺死者から衣服を剥いで生活する老婆が、僧の衣服で罰が当たり急に死んだ後に、魂がさまよい飛ぶので、三途の川の奪衣婆を安置し、供養した。
08
D-4
海国寺 カイコクジ
東加藤家の菩提寺。初代景廉(かげかど)は、源頼朝の挙兵に協力。信長と秀吉共に、熱田の支配を熱田神宮大宮司:千秋家と東西の加藤家に任せた。
10
C-1
観聴寺 カンチョウジ
開基は1615年頃。鉄地蔵二躯安置。境内には月待碑が三基あり、全国的に珍しい。
28
C-3
春養寺 シュンヨウジ
本尊は木造大日如来像。庭先には室町時代の作と伝わる線彫地蔵あり。
30
D-4
正覚寺 ショウカクジ
後花園・正親町両天皇の勅願道場。浄土宗尾張三壇林の一つ。本尊は木造阿弥陀如来像。
34
C-4
聖徳寺 ショウトクジ
本尊は阿弥陀如来像。開山は1564年。昔、須賀浦の漁夫が沖合で網で聖徳太子像を引き上げ、後に太子堂建立。1954年愛知県指定文化財第1号。
35
C-4
成福寺 ジョウフクジ
江戸時代後期に17か月間太平洋を漂流した督乗丸(とくじょうまる)の船頭:小栗重吉が建立。船形の「船頭重吉の碑」がある。
51
C-3
想念寺 ソウネンジ
古くは東光寺と称し、1765年想念寺と改称。浄土宗西山禅林寺派。本尊は阿弥陀如来座像。
51
C-2
大乗教総本山 ダイジョウキョウソウホンザン
1914年に興った在家仏教教団。身障者やハンセン病などの救済に取組む。聖仏舎利宝塔はインドのお寺をイメージ。大鐘楼堂は大きな釣り鐘が必見。釈迦涅槃像(身長5.6m)は約300年前の木像。ビルマ(現在のミャンマー)国王より大正天皇に贈られた。
72
C-3
福重寺 フクジュウジ
1394年(室町時代)浅井右近善長(上杉謙信一族)が建立。城塞跡が「旧菖蒲池」にあった。
76
C-5
宝勝院 ホウショウイン
重要文化財の阿弥陀如来立像(97.8cm寄木造り)の胎内から県内最古の胎内仏、写経などが発見された。
82
C-4
本遠寺 ホンノンジ
1326年頃、日蓮の孫弟子日澄上人が、熱田神宮内の法華堂で布教をした縁で、現在地に移され創建された。9月14日の水斉会は日本三大川施餓鬼。
83
B-1
妙安寺 ミョウアンジ
1669年通称「沢の観音」。本尊聖観音像は宋の古銭で鋳造(伝承)。古来、西南の眺望名古屋三景の一つ。芭蕉の句碑が亀の上に乗り、時雨塚と言われる。
86
C-3
弥勒院 ミロクイン
1538年創建。弥勒菩薩像が本尊。右側に稚児大師。子どもを守る仏様で虫封じで知られる。7月20日の「すりばち灸」は有名。
89
C-3
龍珠寺 リョウシュウジ
臨済宗妙心寺派。1532年(天文元)南溟禅師が開山。前田利家と縁がある。
御朱印は本来、お寺で写経を納めた証しにいただけるものです。仏様とのご縁の記録なので、心を清めてお参りしましょう。現在御朱印がいただけるお寺は16ヶ寺( or )です。他の寺院は直接お問合せ下さい。
熱田の地は古来から「蓬莱島」と言われ、巨大な亀の背の上に不老不死の神仙の住む島と考えられていた。昔の人々は、波静かな年魚市潟(あゆちがた)に突き出た岬に、熱田の杜が乗っているように見えたのだろう。
# | 山号 | 寺院名(場所) |
---|---|---|
06 | 亀井山 | 円福寺 エンプクジ(C-4) |
28 | 亀丘山 | 春養寺 シュンヨウジ(C-3) |
30 | 亀足山 | 正覚寺 ショウカクジ(D-4) |
34 | 亀腹山 | 聖徳寺 ショウトクジ(C-4) | 41 | 亀眼山 | 清雲寺 セイウンジ(C-4) | 49 | 大亀山 | 全隆寺 ゼンリュウジ(C-3) | 53 | 宝亀山 | 蔵福寺 ゾウフクジ(C-4) | 61 | 金亀山 | 長盛院 チョウセイイン(D-4) | 64 | 亀命山 | 藤江寺 トウコウジ(C-4) | 72 | 亀宝山 | 福重寺 フクジュウジ(C-3) | --- | 亀頭山 | 神宮寺 ジングウジ(---) |
起源は、尾張藩の初代藩主徳川義直が実施した最大規模の新田開拓。堀川から庄内川に至り、全体33に分割された。それぞれに守護仏として観音が祀られ、西国三十三か所の観音めぐりという貴重な風習が江戸時代から続いている。昨今では新型コロナウイルスの影響や、先達の高齢などで引率は難しくなったが、各自で自由にお堂巡りはできる。
三十三観音堂めぐり 観音堂住所
西国三十三所 1990.3.3調べ(実施)
# | 番割 | 住所 |
---|---|---|
1 | 一番 | 熱田区一番1-24-14 |
2 | 二番・三番 | 熱田区二番1-11-12「滋教寺」 |
3 | 四番・五番 | 熱田区四番1-7-8 |
4 | 六番・七番 | 熱田区六番1-8-12 |
5 | 八番・九番 | 熱田区八番1-8-2 |
6 | 十番・十一番 | 中川区十番町1-121 |
7 | 十二番・十三番 | 港区須成町3-23 |
10 | 十四番・十五番・十六番 | 中川区松年町2-57「天年寺」 |
9 | 十七番 | 中川区昭明町3丁目 |
11 | 十八番・十九番 | 中川区明徳町1-47 |
12 | 二十番 | 港区正徳町1丁目 |
13 | 二十一番・二十二番・二十三番 | 港区正徳町4丁目 |
17 | 二十四番 | 港区小碓4丁目 |
15 | 二十五番・二十六番・二十七番・二十八番 | 港区小碓1丁目 |
16 | 二十九番・三十番・三十一番・三十二番 | 港区明正1丁目 |
18 | 三十三番 | 中川区下之一色町中ノ切 |
※ 番外:8.白龍神(水の神)、14.空雲寺、19.花山院(尼寺)、20.龍神(コースと番割りが逆になる場合があります)
慶長15年(1610)加藤清正が名古屋城築城の際、資材の運搬船が度々遭難したため、清正が宮崎の鴨戸神宮の分霊を勧請して、現在の白鳥橋下流200mの堀川河口に創建しました。以来、海上交通安全、安産、縁結びの神として崇められました。御祭神の波限彦(神武天皇の父)に因んで「波限神社」と命名しました。依然は現在の愛知時計電機の敷地内にあり、まむしが多くいたので「まむし神社」とも云われてました。昭和14年愛知時計電機の業容拡大により現在地に遷座されましたが20年3月戦災にあいました。戦後の昭和50年に再建され現在に至っています。御祭神の波限彦は正式に日子波限建鵜葦草葦不合尊と言い、父は彦火火出見命、いわゆる海幸山幸の山幸彦です。日子波限建鵜葦草葦不合尊と玉依媛の間に生まれたのが神武天皇です。正面鳥居の右側に清正石と称される石があります。これは名古屋城築城の石で、途中で落ちてしまった石と言われています。落ちた石は落城につながり縁起が悪いと言われ、捨てられた石がこの辺りに沢山あります。
熱田社祭神は日本武尊 明治初年の勧請。共に秋葉社須成社を祭る。境内495坪、昭和4年11月神殿拝殿が改造され社務所が造られた。(名古屋市史による)以前は稲荷社が祭ってあり現在同村内にある番神堂に一人の尼さん「名は智禅」が居て守っていたとの事。この境内には祈誓した場所で慶安3年(1650年)新田開発された。当時は番神堂がこの辺り約6,000坪の広さで祀られていたと言い伝えられ古木が多く種類がある。
三十三観音巡りの途中に巨大なクロガネモチの保存樹がある。この木は熱田区の木となっていて、「苦労がなく金持ち」に通じる名前から庭木などの縁起木として知られる。この地域古来の樹種で、大都会でこのように際立った大きさになるのは珍しい。二・三番観音横の熱田社にあり、パワースポットとなっている。
諸般事情により情報が古い場合がございます。何卒ご了承ください。
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熱田にはお寺が多く、訪れたお寺ではご住職にも優しく出迎えて頂きました。御朱印の有り難みを噛み締めています。今回の親子旅、たくさんの学びを経てさらに熱田に夢中になりました♪